リニア新幹線建設の工事が本格化して工事車両が増えるのを前に、長野県阿智村の清内路小学校で24日、交通安全教室があった。子どもたちはダンプカーに乗り込み、運転手からは歩行者が見えない死角があることを学んだ。
大型ダンプカーを持ち込んでの授業は、村からの提案を受け、JR東海が村と共催した。
安全教室には児童22人が参加した。1人ずつダンプカーの運転席に座り、周囲に並べられたコーンが見えるかどうかを確認。車の正面や斜め前など死角となる空間の存在を確認した。
体育館では、トラックが交差点の角を曲がる際の映像を見る授業もあった。前輪より後輪の方が内側を通る「内輪差」があり、車が歩行者を巻き込む事故の原因になることを学んだ。
同小6年の林晴斗さん(11)は「トラックからは、意外と見えないところが多かった。大きな車を見かけたら、手を挙げて自分がいることをアピールするようにしたい」と話した。
同村の清内路地区ではトンネル工事で使う資材や機材を運ぶ車両が走るため、村道の拡幅工事が進められている。村内を通る国道256号では今年度、1日平均で最大約200台(往復の延べ台数)の通行量が想定されている。(佐藤仁彦)